FXのチャート分析の基本と応用編です

FXのチャート分析の基本と応用

FXのチャート分析とは、為替相場の動きをグラフで表したチャートを用いて、将来の相場の方向性やトレンドを予測する方法です。チャート分析には、様々な種類のチャートや分析手法がありますが、ここでは、FXのチャート分析の基本と応用について解説します。

チャートの種類

FXのチャートには、主に以下の4種類があります。

線グラフ：各時点の終値を線でつないだグラフです。相場の流れを一目で把握できますが、値動きの細かい情報は見えません。
棒グラフ：各時点の始値、終値、高値、安値を棒で表したグラフです。値動きの幅や方向が分かりますが、視覚的にはわかりにくいです。
ローソク足グラフ：棒グラフと同じ情報を表しますが、始値と終値の間を塗りつぶしたグラフです。値動きの強弱や転換点が分かりやすくなります。塗りつぶしの色は、終値が始値より高い場合は白や青、低い場合は黒や赤などで区別します。
ヒゲローソク足グラフ：ローソク足グラフに、高値と安値を示す線（ヒゲ）を付け加えたグラフです。値動きの全体像がより詳細に見えます。

FXのチャート分析では、ローソク足グラフやヒゲローソク足グラフがよく使われます。これらのチャートには、特定の形やパターンが現れることがあり、それらを利用して相場の動きを予測することができます。これらの形やパターンをローソク足パターンと呼びます。

ローソク足パターンの種類

ローソク足パターンには、大きく分けて以下の2種類があります。

反転パターン：相場の方向性が変わることを示すパターンです。トレンドの終わりや転換点を探るのに役立ちます。
継続パターン：相場の方向性が継続することを示すパターンです。トレンドの強さや持続性を確認するのに役立ちます。

ローソク足パターンは、1本のローソク足から数本のローソク足まで様々な組み合わせで現れます。ここでは、代表的なローソク足パターンをいくつか紹介します。

反転パターン

陽線と陰線の切り替わり：上昇トレンドの後に陰線が現れたり、下降トレンドの後に陽線が現れたりすることで、相場の方向性が変わることを示します。ただし、このパターンだけでは反転の確信度は低いので、他の要素と併せて判断する必要があります。
ハンマー：下降トレンドの後に、小さな実体と長い下ヒゲを持つローソク足が現れることで、下げ止まりや反発の兆しを示します。実体の色は問いませんが、白や青の方が強いサインです。下ヒゲの長さは実体の2倍以上であることが望ましいです。ハンマーの次のローソク足が陽線であれば、反転の確信度が高まります。
シューティングスター：上昇トレンドの後に、小さな実体と長い上ヒゲを持つローソク足が現れることで、上げ止まりや反落の兆しを示します。実体の色は問いませんが、黒や赤の方が強いサインです。上ヒゲの長さは実体の2倍以上であることが望ましいです。シューティングスターの次のローソク足が陰線であれば、反転の確信度が高まります。
吊り石：下降トレンドの後に、小さな実体と長い上ヒゲを持つローソク足が現れることで、下げ止まりや反発の兆しを示します。実体の色は問いませんが、白や青の方が強いサインです。上ヒゲの長さは実体の2倍以上であることが望ましいです。吊り石の次のローソク足が陽線であれば、反転の確信度が高まります。
逆ハンマー：上昇トレンドの後に、小さな実体と長い下ヒゲを持つローソク足が現れることで、上げ止まりや反落の兆しを示します。実体の色は問いませんが、黒や赤の方が強いサインです。下ヒゲの長さは実体の2倍以上であることが望ましいです。逆ハンマーの次のローソク足が陰線であれば、反転の確信度が高まります。
星形：上昇トレンドの後に、前日の実体と重ならない小さな実体を持つローソク足が現れることで、上げ止まりや反落の兆しを示します。実体の色は問いませんが、黒や赤の方が強いサインです。星形の次のローソク足が陰線であれば、反転の確信度が高まります。下降トレンドの後に、前日の実体と重ならない小さな実体を持つローソク足が現れる場合も、同様に下げ止まりや反発の兆しを示します。この場合は、実体の色は問いませんが、白や青の方が強いサインです。星形の次のローソク足が陽線あれば、反転の確信度が高まります。
- ハラミ：上昇トレンドの後に、前日の実体を包み込むように小さな陰線が現れることで、上げ止まりや反落の兆しを示します。下降トレンドの後に、前日の実体を包み込むように小さな陽線が現れる場合も、同様に下げ止まりや反発の兆しを示します。ハラミの次のローソク足が反転の方向に動けば、反転の確信度が高まります。
- 窓：相場の値動きに空白が生じることで、相場の方向性が変わることを示します。窓は、相場の勢いが強いときによく現れます。窓の上端や下端は、サポートやレジスタンスの役割を果たします。窓が埋まる（空白が埋まる）までに反転することは少ないです。
- 三山：上昇トレンドの後に、3つの山のような高値が形成されることで、上げ止まりや反落の兆しを示します。中央の山が最も高く、左右の山がほぼ同じ高さであることが望ましいです。3つの山の間には、窓があることが多いです。3つ目の山の後に陰線が現れれば、反転の確信度が高まります。
- 三尊：下降トレンドの後に、3つの谷のような安値が形成されることで、下げ止まりや反発の兆しを示します。中央の谷が最も低く、左右の谷がほぼ同じ高さであることが望ましいです。3つの谷の間には、窓があることが多いです。3つ目の谷の後に陽線が現れれば、反転の確信度が高まります。
継続パターン
- 陽線と陰線の連続：上昇トレンドや下降トレンドの中で、陽線と陰線が交互に現れることで、相場の方向性が継続することを示します。このパターンは、相場の調整や休憩と見なすことができます。陽線と陰線の実体は、それほど大きくなくても構いません。陽線と陰線の連続が終わった後に、トレンドの方向に動けば、継続の確信度が高まります。
- 上昇三法：上昇トレンドの中で、3本の小さな陰線が現れることで、相場の方向性が継続することを示します。3本の陰線の高値は、前日の陽線の実体の中に収まっていることが望ましいです。上昇三法の後に陽線が現れれば、継続の確信度が高まります。
- 下降三法：下降トレンドの中で、3本の小さな陽線が現れることで、相場の方向性が継続することを示します。3本の陽線の安値は、前日の陰線の実体の中に収まっていることが望ましいです。下降三法の後に陰線が現れれば、継続の確信度が高まります。
- 上昇窓：上昇トレンドの中で、前日の高値よりも高い始値を持つ陽線が現れることで、相場の方向性が継続することを示します。上昇窓の実体は、大きくても小さくても構いません。上昇窓の次のローソク足が陽線であれば、継続の確信度が高まります。
- 下降窓：下降トレンドの中で、前日の安値よりも低い始値を持つ陰線が現れることで、相場の方向性が継続することを示します。下降窓の実体は、大きくても小さくても構いません。下降窓の次のローソク足が陰線であれば、継続の確信度が高まります。
チャート分析の応用

チャート分析には、ローソク足パターン以外にも、様々な応用的な手法があります。ここでは、代表的なものをいくつか紹介します。
- トレンドライン：相場の動きに沿って引く直線です。上昇トレンドの場合は、安値を結ぶトレンドラインを引きます。下降トレンドの場合は、高値を結ぶトレンドラインを引きます。トレンドラインは、相場の方向性や勢いを示すだけでなく、サポートやレジスタンスの役割も果たします。トレンドラインが上抜けや下抜けされると、トレンドの転換や加速のサインとなります。
- 移動平均線：過去の値動きの平均値を計算してプロットした線です。移動平均線には、短期的なものや長期的なものがあります。移動平均線は、相場のトレンドや流れを滑らかに示すだけでなく、サポートやレジスタンスの役割も果たします。移動平均線が上抜けや下抜けされると、トレンドの転換や加速のサインとなります。また、移動平均線同士が交差すると、ゴールデンクロスやデッドクロスと呼ばれる重要なサインとなります。
- ボリンジャーバンド：移動平均線を中心に、値動きの変動幅に応じて上下にバンドを引いたものです。ボリンジャーバンドは、相場のボラティリティや方向性を示すだけでなく、サポートやレジスタンスの役割も果たします。ボリンジャーバンドが狭くなると、相場の方向性が弱くなっていることを示します。ボリンジャーバドが広がると、相場の方向性が強くなっていることを示します。ボリンジャーバンドの上端や下端が上抜けや下抜けされると、トレンドの転換や加速のサインとなります。
  - MACD：移動平均線の差分をプロットしたものです。MACDには、MACDラインとシグナルラインの2本の線があります。MACDは、相場のトレンドや勢いを示すだけでなく、トレンドの転換や加速のサインも示します。MACDラインとシグナルラインが交差すると、ゴールデンクロスやデッドクロスと呼ばれる重要なサインとなります。また、MACDラインが0を上抜けや下抜けすると、トレンドの転換や加速のサインとなります。
  - RSI：相場の強弱や過剰買われや過剰売られの状態を示す指標です。RSIは、0から100の範囲で値をとります。RSIが70以上になると、相場が過剰買われになっていることを示します。RSIが30以下になると、相場が過剰売られになっていることを示します。RSIが過剰買われや過剰売られの状態から抜け出すと、トレンドの転換や加速のサインとなります。
  まとめ
  
  FXのチャート分析は、為替相場の動きをグラフで表したチャートを用いて、将来の相場の方向性やトレンドを予測する方法です。チャート分析には、様々な種類のチャートや分析手法がありますが、ここでは、FXのチャート分析の基本と応用について解説しました。チャート分析をマスターすることで、FXのトレードに役立つ情報やサインを得ることができます。チャート分析は、経験や感覚が重要なので、実際にチャートを見て練習することがおすすめです。